※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2023年2月22日くらい。
『上機嫌な言葉366日』田辺聖子
〈なるべく怒らぬよう。怒ると人生の貯金が減る。〉
〈私にいわせれば、人を責めるのは想像力がないからである。責めるのは何かの確信があるからで、確信と想像力は相反するものである。〉
「人間が人間をなぐさめるなんて不遜のきわみやないか。黙ってそっとしといたら、ええねん。人の気持に踏みこまん方がええよ」
〈いっとき遅くなれば、楽しい未来をいっとき損するわ。〉
〈好きなものがある、美しいと思うものがある、ということは、何と人間にとって快いぜいたくだろう。〉
〈ほんとに愛するものは、人は、肌にあたためて抱きしめたくなるものだ。〉
〈人生を生きるのに、愛するもの、好きなことを一つでも多く増やすのは、たいへん、楽しい重要なことです。〉
〈人間は、自分がしてもらうだけでなしに、相手にしてあげる面白さ、喜びをおぼえた方が愉快である。〉
〈すてきな人のしぐさ、考え方、生き方、お化粧でも着こなしでもどんどんマネしてぬすんで、その上で、自分自身のよさをみがいて下さい。(中略)現実にいなくても、文学の世界にもお芝居の世界にも、きっといるはず。〉
〈私は、この世の中でどれほど楽しみをみつけ得るかということが、女のかしこさの度合だと、この頃つくづく思うようになっている。〉
〈男と女のつきあいにボロが出てはいけない。ボロというのは、ハラワタのことである。汚ない内側の、ドロドロのものを手でつかみ出して、白日のもとに投げつけ合う、そういう仲になってはおしまいである。いや、そうだろう、と思われる。〉
〈人生でたのしみをみつける条件というのは、想像力や好奇心をもてるかどうか、にかかっていると思うものだ。〉
〈世の中へ出たら、ヨイショするのも仕事のうちだよ。なんたって、ヨイショしたげるとその人も自信つくし、まわりも華やかになって、人生、景気がいいもん。〉
〈恋、というものは二人でつくる気分だから、二人が気を合わせてつくりあげていかないと、破綻をきたす。〉
〈男と女が暮らすとき、どちらも、芝居のセリフのようなことをしゃべる、度胸と才能が、時に発揮されるようでないとダメである。〉
〈「魅力」というのは、神の与えてくれた天与のものと、自分の精神力、半々の混合ですからね。〉
〈六月といいながら肌寒く、夏の予感はあるけれども、雨は冷たい、そういうとき、人は、人恋しい気持になる。傘のうちのひめやかなキス、あるいはレインコートのしずく、爪革をかけた女の高下駄、それらはオトナの情感の世界である。私は、つゆどきの人間の感性のしめりが好きである。〉
〈結婚というのは、男と女が愛し合うこと、それを土台に人生をつくること。〉
〈真の結婚をするためには、個性が確立していなければならない。自我のないところに個性はないのです。自分というものが確立していない人がどうして他の人格を愛することができましょう。〉
〈灯のついた町は、雨というセロファンに包まれて、キャンデーのかたまりみたいにキラキラしている。〉
〈ぜいたくは、みたされたとき、単なる物欲となってしまう。〉
〈私は、男と女が仲良くくらす最大の秘訣は、「ほめあうこと」「ご機嫌をとること」だけだと思う。(中略)要は、おたがい仲よく長生きする、これだけである。それにはご機嫌をとりあい、甘やかし合う。それだけなのだ。〉
〈主婦の仕事、主婦の義務は何か。舟子は、「いつも機嫌がかわらないでいる」ということだ、と思うものだ。〉
〈人間のコトバがあるのは、お互いにいい気分を分かち合うためである。肉親、身内、知人、友人のあいだでは、いつもいい気分をただよわせておくものである。〉
〈達観、というのは、心中、〈まあ、こんなトコやな〉とつぶやくことである。〉
ハラワタむき出しだもんなぁ、私。
だからか(笑)
白日のもとに投げつけ合う絵面想像すると面白い。
実際は私が一方的に投げつけてるだけだけどな。
主婦の義務果たせてないなぁ〜
できたら理想的だよなぁ〜
とはいえいつも機嫌変わらないとかロボットやん。
人間だもの多少は仕方ないよな。うんうん。
▼こちらも人生の先輩のお言葉。学びになります。