※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2022年10月10日くらい。
『カンパネルラ』長野まゆみ
しまった。これは夏読むべき本だった。
緑と水と銀木犀の描写が豊かで綺麗だった。夏に読んだらきっと清涼感あっただろうな〜
涼しくなってきた今、水に潜るとこ読んだら寒気がした🤣
話は完全に長野まゆみワールド。長野まゆみ的耽美世界。
病弱な兄と、それに焦がれる弟。
生きているんだか死んでるんだかな爺さんもいるけど実に空気。本当にいたのか爺さん。
夏織もいたんだかいないんだか。まだ辛うじて現世に存在している、ていう感じの儚げというか危うい存在であった。半分もってかれとるというか。
確実に生きて存在していたのは弟の柊一だけだったな。
ラストはなんだろ?夏織は銀木犀にいざなわれたのか、神隠し的な雰囲気(別に隠れてないんだけど)で、向こう側に多分行っちゃった。
柊一も引き寄せられている感あったけど、どうなったのかはわからないなぁ。
まぁ雰囲気や世界観を楽しむ小説か(逃)。
しかし本人解説にあった、賢治の『銀河鉄道の夜』は改定前と改定後で章の順番がかわっているとか、改定前はカムパネルラの身に起きたことが割と序盤で明言されているとか、なかなか驚き。
読み方やセリフの受け止め方や印象変わってくるよね。賢治はどう思ってんだろう。