※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2022年10月13日くらい。
『トーマの心臓』萩尾望都
〈人は二度死ぬという まず自己の死 そしてのち 友人に忘れ去られることの死〉
「人がみんな自分と同じあまったれだと思うなよ ル・べべ」
「どうしてお父さん神さまは――― そんなさびしいものに人間をおつくりになったの?ひとりでは生きていけないように」
〈結局はここにこうしてある思いがユーリに向かっていることが 一番たいせつなことなのじゃないだろうか〉
「神さまは人がなんであろうといつも愛してくださっているということが わかったんです」
〈ぼくが背をむけても打ち消しても やはりそれがなければ人は生きていけないと ぼくもそれを求めていると〉
〈彼がぼくの罪を知っていたかいなかが問題ではなく ―――ただいっさいをなにがあろうと許していたのだと〉
いやいや森博嗣内容変えすぎだろう🤣🤣🤣
読んでびっくりだよ。キャラクターもセリフも舞台も全然違った。話の展開も全然違った。
オスカー、ユーリのこと既に知ってるやん…。
森博嗣のはもうパラレルワールド、THE二次創作ですわ…。
あれはあれで面白かったけど、原作読んだら原作の濃いこと濃いこと。深いこと深いこと。濃密。
森版はトーマの存在感が希薄だなぁと思ってたけど、原作はそんなことなかった。タイトルに偽りなし、物語におけるトーマの重さよ。
今思うと森版はユーリの身に何が起きたのか?が主軸で、人物の成長・開放はそれに付随するオマケみたいな感じだった(あくまで個人的な感想)。
が、原作は人の内面にもっと踏み込んでいて、かつそれがどちらかというと本筋なので読み応えが凄い。愛とは。
というか、森版はラストに至ってもトーマの死(トーマの残したメッセージ)の扱いが軽くないか?と何となく引っかかってたけど、原作はトーマのメッセージが終盤重く響いた。
トーマの想いが報われた…!
断然原作推し。読んでよかった!!!
▼先に読んだ森博嗣版『トーマの心臓』。