※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2023年2月16日くらい。
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子
〈やっと、わかった。「みっともない」は、言葉じゃうまく言えない、お母さんのへたくそな愛情表現でもあったんだってことが。〉
〈何かをやりはじめたとき、誰もが最初にぶち当たる壁は、自分の実力を知らなきゃいけないことってことだと思う。(中略)どんなことであれ、「客観性を持つ」のは、人がまず自分なりのスタート地点に立つために、とても大切なことだった。〉
〈結局、私が予備校時代のまる一年をかけて学んだのは、自分の絵がどうダメなのか、うまい人と、どこがどうちがうのかということを、冷静に判断できる力をつけたことだった。〉
〈「どうしたら夢がかなうか?」って考えると、全部を諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。(中略)「自分はそれでどうやって稼ぐのか?」を本気で考えだしたら、やりたいことが現実に、どんどん、近づいてきた。〉
〈プライドで、メシが食えますかっていうの!私に言わせるなら、プライドなんてもんはね、一銭にもならないよ。〉
〈「才能」って、人から教えられるもんだって。いい仕事をすれば、それがまた次の仕事につながって、その繰り返し。ときには自分でも意識的に方向転換をしながら、とにかく足を止めないってことが大事。〉
〈どこかに、自分にしっくりくる世界がきっとある。もし、ないとしたら、自分でつくっちゃえばいい。働くっていうのは、つまり、そういうことでもあるんじゃないかな。仕事っていうのは、そうやって壁にぶつかりながらも、出会った人たちの力を借りて、自分の居場所をつくっていくことでもあると思う。〉
〈働くこと。働きつづけるってことが、まるで「自家発電」みたいに、わたしがその日を明るくがんばるためのエンジンになってくれたのよ。〉
〈ギャンブルに、いいギャンブルも、悪いギャンブルもない。ギャンブルはギャンブルよ。お金を賭けて勝負すれば、公営だろうが、違法だろうが、リスクもついてまわる。〉
〈「笑い」っていうのも、失敗をどうひっくり返すか、だからね。痛い思いをして、ふつうならしょんぼりしてあたりまえのところを、どうひっくり返して、どう笑いに変えていくかだから。〉
〈ギャンブルっていうのは、授業料を払って、大人が負け方を学ぶものじゃないかな。〉
〈うれしいことばかりだと、うれしいことの中に、もう、不満の種を探すからね。それがどこに行き着くかっていったら「これじゃなきゃイヤだ」っていう考え。雑誌の情報に踊らされて、服はこのブランドじゃなきゃイヤ、恋人もこのくらい収入がなくちゃイヤ、マニュアル通りの条件がぜんぶそろわないと、しあわせになれないと思ってるとしたら、それはもう、すっかり退屈してるってことだよ。〉
〈自分の中の「ダメなところ」を、そんなに恥じることはないんだよ。肝心なのは、ダメになったら、そこからどう切り返すかなんだから。どうやったら、そこで「自分なりの次の一手」を打てるかなんだからさ。〉
〈人の気持ちと人のカネだけは、あてにするな!〉
〈自分にとっての向き不向きみたいな視点だけじゃなくって、そういう、他人にとって自分の仕事はどういう意味を持つのかっていう視点も、持つことができたらいいよね。自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。〉
〈毎日、毎日、働くことが私の「祈り」なのよ。どんなに煮詰まってつらいときでも、大好きな人に裏切られて落ち込んでいるときでも、働いていれば、そのうちどうにか、出口って見えるものなんだよ。〉
〈どんなときでも、働くこと、働き続けることが「希望」になる、っていうことを。ときには、休んでもいい。でも、自分から外に出て、手足を動かして、心で感じることだけは、諦めないで。(中略)人が人であることをやめないために、人は働くんだよ。働くことが、生きることなんだよ。〉
いきなり始まる自分語り(と言ったら失礼だけど)に面食らったけど、面白かった。
カネをキーワードにしたサイバラ史、とも言えるし、サイバラの人生から考えるカネの話、とも言える本。でもどっちかというと後者か。
勝間さんの解説が本文をわかりやすくまとめていて良かった!
西原理恵子について多少知っている方が楽しく読めると思う。鴨ちゃん…。最後に鴨ちゃん出すのはズルい。
久しぶりに『できるかなV3』読みたくなった〜。ホステスの回好きだったなぁ。あとなぜか気球の話も。ききう。