※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2022年9月10日くらい。
『宙ごはん』町田そのこ
「盆栽よ、盆栽(中略)自分を守るために自分自身を剪定しなきゃいけないときって、あんのよ。でもそれは自分の芯、幹を守るためだから、幹は絶対失われないのよ。だから、大丈夫よ」
〈やっちゃんは、ひとを労り包みこむような料理をいつも作ってくれる。それはきっとやっちゃんが、食事をするひとのことを、思っているからだ。〉
「ああ、私はこんな手間のかかったものを、それを味わう時間を、無償で用意してもらえる人間なんだなって思えたの」
「刷りこみってねえ、怖いんだ。やさしく、強く、激しく。丁寧に、厳かに。何度も何度も言われ続けていると、疑わなくなってしまう」
「嫌なことも一緒でさ、誰かと分け合いっこすればその分減るの。減った分楽になって、そしたらいろんなことができるようになる」
「あたしは、決めてたんだ。誰彼なしに助けるなんて、あたしにはできない。でもいつか、あたしと似た境遇で苦しんでる人がいたら、そのときには絶対手を伸ばそうって」
思いがこもった料理は、ひとをいかしてくれる。
やっちゃんんんんん
あぁ、この本は思った以上にやっちゃんの話だった。
カバー裏の話読んだら、もう。
裏主人公はカノさんと思いきや、表主人公が宙&カノさん母娘で裏主人公がやっちゃんてな感じでファイナルアンサー。
とりあえず初版本でよかったーーーー!!!
なんだかやっちゃんやっちゃん言ってるけど、宙ちゃんは本当に本当に素敵な子だった。カノさんもすっごく魅力的だった。
登場人物みんな人間臭くて不器用で愛おしい。
それぞれの人生を生きそれぞれの考え方があって個性があって。
話の中であまりに活き活きしているものだから、本当にいる人みたいに思えてくる。
ってのは町田さんが上手いからだなぁ。
人のあたたかさを思い出させるいいお話だった。3回涙した。
人の想いは人を強く支えてくれるし、消えることはないね。
しかしいい想いだけでなく、『52ヘルツのクジラたち』でもあったけど、家族の呪いは超強力だ。私も子どもらに知らぬ間に呪いかけてやしないかと不安になる…。
気をつけよ。
そういえばこれが4冊目の町田作品だった。
町田作品面白いし今後も色々読みたいんだけど、内容重くてしんどくて食あたり気味(^^;
この一ヶ月ほどで立て続けに読んだからなぁ。
というか、やっちゃんの件で心折れた。
別に展開について不満が〜とかでなく、ただただショックで(T_T)
その後の展開は感動的だし、そうもっていくには必要なことなんだけどさ、いかんせんダメージが大きすぎた。
なのでしばらくは違うタイプの小説か新書読もう。元気だそ。
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「イージーモードで人生始めた感じのひと。(中略)世界は自分のためにあると信じて疑ってない。自分の思うように物事が進んでいると、とても穏やかで鷹揚なんだ。でも少しでも許せないことがあると傷ついて荒れる」
ぐはっ。
▼思えばこちらもヘビーだったなぁ。
▼思えばこちらは軽くよめたなぁ。