※別のところで書いていた読書記録を転載。
実際に読んだのは2022年9月14日くらい。
『早朝始発の殺風景』青崎有吾
「勉強って、武術の修行みたいなものだと思う。日常生活のために学ぶんじゃなくて、もしものときのために学ぶんだ。悪い奴らと戦って自分や家族を守れるように。だから、日常で役に立たないのは当たり前」
「ニセ科学とか、マルチ商法とか、政治家の嘘とか。知識がなきゃ騙されちゃうだろ」
「三年間通ったのに卒業式に出ないっていうのは…なんかこう、プリンを食べたのに容器はほったらかしみたいな、そういうことだと思う」
「(前略)青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ。狭くてどこにも逃げ場のない密室」
〈青春は、気まずさでできた密室だ。〉
な、5つの短編集。
タイトル秀逸と思って買ったら、ダブルミーニングだった。何という名字。
そんな表題作、米ぽの『小市民シリーズ』みたいだな〜懐かしい〜と思っていたら、実に小山内さんで笑った。
料理のレシピw
小山内さんは(確か)直接手を下さないから微妙に違うけど。方向性は同じよね。叶姉妹みたいにユニット組めると思う。
『メロンソーダ・ファクトリー』は良くも悪くも女子の気ぃ使う感じが思い出されて。
あと、こういう人結構多いんだなと。こんなに多いならちょっと知識つけた方がいいですね。
『夢の国には観覧車がない』は読後感が良かったな。二人の話している雰囲気も良かったし。
ただ、ちょっと係員のお姉さんが不憫🤣🤣🤣
『捨て猫と兄妹喧嘩』、いくら血の繋がりがあっても、元家族であったとしても、離婚で次第に関係が希薄になっていくのは寂しいもんだなぁ〜
最後は良かったよ~
ただ、猫の扱いこれでいいのかなぁ
『三月四日、午後ニ時半の密室』は良い言葉がチラホラ。勉強の意味良かったし、プリンの例えも面白いだけでなく、なるほど確かにと。最後まできちんとやって終わらすというか、ケリをつけるというか、区切りをつけるのは大事。
気まずさでできた密室ってのは確かに青春時代で色濃く感じるけど、それ以降も社会の中に身を置く限りついて回るものよね…。
殆ど社会からあぶれ気味な私でも、日々公園で感じてますよ🤣🤣🤣
社交性ゼロなんで気っまずーい\(^o^)/
で、問題の『エピローグ』。
いやいや???!!!
都内のハンズで何買ったのよ???!!!
皮剥いたん???ブツ切りにしたん???
8ヶ月の重症ってどんな状態…。
すべての作品のその後がまとめられている感じで良かったけどさ、半殺しって🤣🤣🤣
小山内さんのやり方は許容できるけど、これはちょっと許容できないような…できるような…できないような…。自らやっちまったんかい。
一線超えちゃえる精神性ってどうなのよ。頭の中でやっちまうのと、実際にやっちまうのは、天と地ほど開きがあると思うよ。加藤木くん、きみも、その段になったら止めるとかしないのね…。二人とも怖いよう
その点『小市民シリーズ』の小鳩くんは、小山内さんを糾弾というか窘めていて、冷静だし大人だし優しかったなと。約10年の時を経て小鳩くんの株が急上昇(笑)。小鳩くん一度もカッコいいと思ったことないのに、今になってカッコよく思えてきたw
日常系なのでミステリとしてはめちゃくちゃライトだけど、三十女が読んでもほのぼの楽しめる、良い短編集でした(エピローグの評価はおいとくw)。基本みんなかわいかった。
が、リアルタイムでこの濃密な『気まずさ』を感ずることのある高校生の子が読んだら、もっと楽しめそう。前後の中学生や大学生にもきっと良かろう。
ただエピローグの件は真似しないでね!
一線超えてるよ!将来が危ぶまれるよ!
しかし何で『小市民シリーズ』売ったのか…。買い戻そうか🤣🤣🤣